旅の一コマ <カンボジアでキャバクラ的な店に入ったよ>

バックパッカー旅でカンボジアのシェムリアップという街に滞在していた時の話。
シェムリアップは世界遺産でもあるアンコールワットの観光の拠点となる街だ。
私は日本人宿として有名なクロマーヤマトゲストハウスのドミトリーに泊まりながら、観光するでもなくただ宿にあるマンガを読んだり、宿で飼われていた犬と戯れたりして毎日を過ごしていた。
宿にはレストランも併設されていて、結構レベルの高い日本食が食べられる。
気が済むまでベッドの中でグズグズして、起きたらレストランへ行くと同じ宿に泊まってる日本人が誰かしらいるので、のんびり飲み食いしながら談笑することができた。

ある時、日本人男性2人と話していたら、ちょっと女の子がいる店があるらしいから行ってみないかという話が持ち上がった。
ほうほう、それは一体どんな店なんだいと話題は盛り上がる。
どうやら宿からしばし歩いたところに、カンボジア人の女の子たちと飲める店があるらしい。
長期間の貧乏バックパッカー旅をしていた私は、貧乏癖のせいでどうしようか迷いその場で行くとは返事しなかった。
そしたら日が暮れた頃、ふと2人が宿を出て通りを渡って歩いて行くのが見えたではないか。
やばい!俺を置いて行ってしまう!待って~やっぱ俺も行きたいから連れてって~!
私は走って追いかけた。

どのくらい歩いただろうか、メインストリートから脇道に入りしばし歩くと、きらびやかなイルミネーションが飾られた建物がいくつか並んでいるのが壁の向こうに見えた。
入り口には着飾った女性たちが両脇に列になって並んでいて、我々を出迎えてくれた。
中はドラクエの村のような造りになっていて、敷地内にコテージみたいなのが何棟も点在していた。
ボーイにその一つのコテージに通された。
コテージの中は6畳ぐらいで、真ん中にテーブルがありメニューが置いてある。
なるほど、個室的な作りになっているので女の子を呼びやすい。
ボーイに女の子は呼びますかと英語で尋ねられた。
女の子を呼んだらいくらか訊いたら、ボーイは「2ドル」と答えた。
2ドル!?たったの2ドル!!マジでか!
じゃあ・・・という事で、男3人だから3人呼んでもらった。

一応きちんと明記しておくと、ただ女の子が横に座ってビールを注いでくれるだけの店です。お触りとかどっかに連れ込むとかそういう類での店ではありません。
あと、カンボジアではリエルという現地通貨があるけどUSドルも併用して使われていて、ATMでもリエルで引き出すかUSドルで引き出すか選択する事ができます。

たぶんさっき入り口に並んでた女の子が3人コテージに入ってきて、我々3人の横にそれぞれ座った。
3人とも若くかわいらしいカンボジア人女性だ。
いやーなんか緊張しちゃう。
日本ではむかーしキャバクラに一回行った事があるだけで風俗とか一切行かないからこういうの慣れてないんだよね。
とりあえずお決まりの名前を訊くところから各自始まった。
ところが、女の子3人とも全員英語を全く話せない事が判明した。
我々はどうしようかと困ってしまい、しばらくの間どうしようどうしようと戸惑うばかりだった。

ビールとつまみがきた。
ビールはタワー状のバカでかい容器で来た。一体何リットル入ってるんだこれは・・・。
女の子たちが注いでくれ、女の子たちも何かしら飲み物を注文してあり、みんなで乾杯した。

ここで、一緒に行った日本人男性を軽く紹介したい。
仮にAくんとBくんとしよう。
Aくんは20代半ばぐらい。ひょうきんそうな顔した好青年。関東出身。
Bくんは20後半から30前半で、旅行関係の会社に勤めていた元社会人。関西出身。
AくんもBくんも英語はそんなに達者ではなかった。
まぁでも英語ペラペラだったとしても関係ない。女の子たちに英語が通じないんだから。

せっかく隣に女の子が来てくれてるのに、男だけで話しててもしょうがない。我々は日本語や英語で何とか女の子と会話してみようと試みたがなかなかに難しい。
これは困った。
とりあえず場を盛り上げてみようと私がポケットに入っていたベトナム口琴という楽器を軽くやってみたが、全然盛り上がらなかった。

「しゃあない、俺がやったるわ」とBくんが立ち上がった。
Bくんいわく、小学生には必ずウケる鉄板ネタらしい。
Bくんは突然ネタを始めた。
「あーお金ありすぎてもういらんわー。1万、2万、3万、4万、5万・・・」と、お金を一枚ずつ捨てるジェスチャーしながら最後にポーズとって「ロックマン!」と決めた。

私は一瞬きょとんとし、心の中でツッコんだ。

だから日本語は通じないって言ってるだろ!

日本人しかいない飲み会の席でもこのネタをやるのはかなりキッツイというのに、まさかこれを鉄板ネタと先に言ってこの状況で披露することができるとはなんという剛の者・・・。
いまこの場ではある意味衝撃的なネタで、私はじわじわ面白くなってきて結局笑ってしまった。
普通に日本語のネタだったので当然女の子たちは何一つ理解できず少しも笑わなかった。
でも場の緊張感が妙にほぐれた事は確かで、ビールが進んでいくうちに、いつの間にか女の子との距離も縮まっていた。
私の隣の女の子は自分のケータイに写ってる家族の写真をひたすら見せてきた。
まだスマホではなくガラケー的な電話だったので、画質は悪かったが、女の子が嬉しそうに写真の説明をしてくるのでなぜかこちらもつい笑顔になってしまっていた。何言ってるかは理解できなかったけど。

もしかしたらこの子たちも貧しい家の出身でお金の為に仕方なくおっさんの酒の相手をする仕事をしているのかもしれない。
別に聖人君子ぶるつもりではなかったが、私は肩に手をまわすこともしなかったし、お触りも一切しなかった。
せめて今夜だけは、「良い客で良かったー」と思ってもらえたらいいなと思って。

ボーイに会計してもらい、女の子たちにもチップを渡し店を出た。いくら払ったのかよく覚えていない。
ビールを結構飲んだので3人ともまぁまぁ酔っぱらっていた。
楽しかった。宿までの帰り道、紅潮した頬に夜風が心地よかった。

たまにはいいな、こういうの。
でもあのロックマンのギャグは無いわぁ。

後に、Bくんのすべり倒した様をロックマンのポーズ付きで再現する話は私の持ちネタに加わることとなった。


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投稿者:

ぐるじあ

日本人。10年ぐらい日本国内や海外を時々旅して時々働いて過ごしてきて、最近になって恥を忍んでそれらをネットで公開しています。信念は特にないです。

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