その時私は青春18切符を持って、九州へ向かうJR西日本のローカル線の中にいました。
早朝からずーーーっとローカル線を乗り継いでいて、8割眠っていて2割ぼーっとしていて、自分がいまどこにいるのかもわからなくなり、でもひっきりなしに乗り降りする人々が周りで動き回り、もう何がなにやらわからなくなっていた時でした。
ふいに窓の外に不思議なものが見えました。な、なんだあれは!?どこだここは!?尾道!?何県!?
眠気が吹っ飛ぶのを感じ、電車を飛び降りる自分のイメージが浮かびましたが、私は福岡で友達と会う約束があったので、とりあえず「尾道」という駅名だけ脳に刻んだのです。

そして、福岡からの帰り道、ドキドキしながら私は尾道駅へ降り立ちました。
あの、窓から見えた変なもの。あれを間近で見てみたい。その一心で。

まず、駅を降りたらとっても風情のある飲み屋が。あれ?古着屋?



街歩きの案内板がありました。尾道について何も知らずに降り立ちましたが、どうやらお寺や神社などが点在しているようです。お、ロープウェイもある。へー、志賀直哉旧居なんてあるんだ。文学もこみち?あ、文学のこみち、か。
でも、私はこの案内板に従って歩いてる暇はありません。もっともっと見たいのがあるのです。先を急ぎましょう。

キター!見えてきました。坂を上がっていくと城のような建物が。つーか土台!土台!城そのものより土台が細いんですけど!一体どーゆーつもりで作ったんこれ!?もうちょっと近くで見たい!(←テンション上がりっぱなし)

いやウソでしょ!? ・・・それにしても坂が思ったよりキッツイ・・・ハァハァ。

やっと正面着いた!と思ったら、本当の城じゃなかったんだ・・・。「全国城の博物館 尾道城」?博物館じゃねーか!しかも打ち捨てられとる。ツタがからみまくっちゃって。あ、門番の人ご苦労様です。

名残り惜しみつつ、尾道城を後にします。調べたところによると、1964(昭和39年)に博物館として建てられたもので、歴史的な価値などは無いそうです。でもいいんです。こういう、廃墟というか、打ち捨てれた建物には哀愁が漂い、また別の美しさがあるので。できれば現役の時に一回博物館を見ておきたかったなぁ・・・。

とりあえず今回はさわりだけ、という事で。
次回は、ちゃんと街歩きします。坂と路地とお寺とネコがでてきます。
知らなかったですけど、小津安二郎監督の「東京日和」もここで撮影が行われたようです。
志賀直哉が居を構えてたりと、文化や芸術に所縁の深い土地柄だったのですね。
私は尾道城の外観の物珍しさに惹かれて降りただけだったのですが。
けどそういう偶然もぶらり旅の一つの楽しみの一つ。やめられない。



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