中国に、香格里拉という街があるの知ってます?
香格里拉と書いて、何とよむでしょうか?答えは「シャングリラ」です。

「シャングリラ」とは、1933年に作家のジェームズ・ヒルトンが書いた「失われた地平線」という小説に出てきたユートピア、つまり理想郷のこと。
ここにはチベット文化が色濃く残っている街です。
作中にチベットあたりに理想郷がある設定だったこともあって、元々違う名前だったのに若干図々しいながらも香格里拉という名前に変わりました。

本当は私はチベットに行きたかったのですが、そこはチベット自治区として中国が不当に占領している土地で、パーミッション無しでは入れない。しかもツアーを組まないといけない。要はツアーガイドという名の監視役がついてまわることになる。
パーミッション(入域許可証)とガイド付きのツアーとで結構な金額が必要になる。
私はそれでもチベット自治区に行こうと思っていたものの、一冊の本を読んで気が変わってしまった。それは、たまたまマレーシアの宿で他の日本人と本の交換をした時に手元に来たのがブラッド・ピット主演で映画にもなった「セブン・イヤーズ・イン・チベット」。
そこには如何に自治区として組み込まれる前のチベットが平和で素晴らしかったか、中国がどれだけ傲慢で無茶苦茶な事をしたのかが書いてありました。
マレーシアから中国に行く道中で読み進めれば読み進めるほど、中国に自分が近づけば近づくほど、自分の中の反中感情が高まっていき、中国に入国したと同時に読み終えた時には、「勝手に他の国を侵略・占領しといてそこに行く旅行者には高いパーミッション代とツアー代を課すなんて、ふざけんな!」と怒りMAXになっていて、ひとまずチベット自治区には行かないと決めてしまっていました。
でもその代わりと言ってはなんですが、チベット文化が残ってる街があるなら行ってみようかな、てへ。という感じで香格里拉に行く事にしました。ええ、まぁ、ただ単に貧乏性なだけだからとも言えますとも。

そんな訳でやってまいりました香格里拉!
行き方は、雲南省の大理(ダーリー)もしくは麗江(リージャン)からバスが出てるかと思います。私は麗江からまず虎跳峡という場所を訪れ、そこから乗り合いバスで香格里拉に着いたのでちょっと参考にならないかと。
虎跳峡についての記事はいつかまた。

ところで、香格里拉の話を進める前に、中国を旅するに関して少し触れておきたいと思います。
まず、中国を旅することは全然危険じゃない。治安は心配するほど悪くないです。女性一人で夜出歩いても結構大丈夫です。もちろん100%安全とは言いませんよ、最低限の注意ははらってくださいね。
次に言語ですが、簡体字の仕組みだけ最初に把握しておけば多少は漢字の意味を推測できます。切符を買う時だって日時と目的地を書いて窓口に差し出せばすんなり買えるでしょう。
観光客が集まるようなところは英語が通じる事が多いですし、宿なんかの係りの人達はかなり英語をうまく話します。
国際キャッシュカードが使えるATMもそこら中にありますので、お金の心配も問題ないと思います。
買い物する時はスーパーならもちろん値段が決まってるし、個人商店でもぼったくってくる事はあんまりない。食堂でご飯食べる時だってメニューに値段が書いてあるから大丈夫。
問題はやはり衛生面でしょう。北京オリンピックを境に改善はされているでしょうが、日本や欧米諸国に比べると、悲惨の一言です。
地方では、日本では考えられないようなすさまじいトイレなんてまだ普通ですし、電車の車内ではみんながみんなゴミを床に捨てるので床はゴミだらけ。そして窓からも投げ捨てる。それが当たり前。
幼児にはオムツを履かせるなんてもったいないのか、おしりにパッカリと切り目の入ったズボンを履かせていて、子供がおしっこやうんちをしたくなったら適当にその辺でさせて後は知らんふり。それが当たり前。
だから食堂で出入り口付近に座って通りを眺めながらご飯食べてたら近所のおばさんが幼児を抱えて道端でうんちさせて・・・なんてことも日常茶飯事。そういう国なのです、中国は。

私が虎跳峡から香格里拉に向かう乗り合いバスに乗った時もそうでした。バスというかミニバンだったので6人ぐらいしかお客さんは乗れないのですが、運転手は男性で助手席には運転手の奥さんが幼児を抱えて乗っている。
幼児がおしっこをもよおしたのでしょう、奥さんはおもむろにお客さん用に置いてあったゴミ箱を手に取るとそのゴミ箱の中におしっこさせたのです!そしてそのまま後ろの席のお客さんの足元に戻した。
私は一番後ろの席にいて一部始終を見ていたのですがこれにはびっくり。さすがに足元におしっこの入ったゴミ箱を置かれた中国人のおっさんはイヤそうな顔してました。そりゃあそうでしょう。もしカーブにさしかかった時に倒れたら最悪だもんね。

まぁでもそれが中国という巨大な国。厄介だけど侮れない国。政治的な軋轢は抜きにして、旅行する事だけに言及すれば、非常に面白い国、中国という国。
次回も香格里拉についてです。



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