今回は、長崎県は生月島にある柱状節理をご紹介します。

長崎県の平戸って地名聞いた事ありますよね?
よく日本史でキリシタン弾圧の歴史を学ぶ際によく出てくる地名です。平戸は九州本土からすこーしだけ離れた島です。
でもその平戸島のさらに向こうにもう一つ島があるのです。それが生月島。「いきつきじま」と呼びます。
九州本土の北松浦半島-平戸島-生月島と橋がかかっています。

生月島の名前の由来は、大陸へ行って日本に帰ってきた遣隋使・遣唐使たちがこの島を船上から見つけて「帰ってきた」とほっと一息つく、いきつく、そういう島だからとか。
本州から、毎日毎日自転車をこいでこいでこぎまくって辿り着いた私からしたら、「ほっとひといきつく生月島」ではなく、「西へ西へいきついたら生月島」です。でもこの時は本当に行き着いた感あったな~。
生月島に着いた日はもう暗くなっていたので、運よく見つけたグラウンドのステージみたいなところで野宿させてもらいました。その時ジョギングをされてる住民の人が通りかかり、野宿しているこんな怪しい私にも「こんばんは」と声をかけてくださり、とても良い印象を抱いたのを覚えています。

なぜ私が生月島へ行ったかと言いますと、もちろんそれには理由があります。
ここには「柱状節理」があると聞いたからです。
柱状節理とは、「岩体が柱状になった節理。 六角柱状のものが多いが、五角柱状や四角柱状のものもある。 玄武岩質の岩石によく見られ、マグマの冷却面と垂直に発達する。」です。(wikiより)
ちょっと説明を加えると、マグマが冷えて固まっていく際には、体積がわずかに減り収縮していき、規則正しい割れ目ができるのだそうです。規則正しく割れ目ができるだなんてとても不思議ですよね。
田んぼが乾くとひび割れするのを想像してもらえればわかりやすいかと思います。
こういった「岩石の規則正しい割れ目」を「節理」と呼び、他にも板状節理や放射状節理など種類があります。

では生月島の「塩俵の断崖」にある説明書きを見てみましょう。

なるほど、生月島の大地は平戸層群(約1500万年前)の上に「松浦玄武岩(約800万年前)」が重なってできた大地なんですね。
そして溶岩流でできた層が厚く、冷えていく際に縦にヒビが入り、それぞれが柱のように縦長になったと。


柱状節理の実際の様子はこんな感じです。

いかがでしょう、ほんとに柱のように縦長になっています。ポキポキと折れた断面は五角形か六角形に近い形になっています。波や風のせいでしょうか、外側から柱は折れ、海に何本か沈んでる様子がうかがえます。

ちょっとだけアップで。真ん中に今にも折れて倒れそうなのが1本あります。奥にも柱状節理になっているのが見えます。そちらはしっかり亀裂が入っていないのか、折れているのはありません。しかし縦に亀裂がはっきり見て取れます。
何本か折れて断面が見える方が断然いい雰囲気ですけどね。

この塩俵の断崖を見に行く途中のトンネルです。
トンネルの事は置いといて、右側の地層に注目してください。
うっすらと2色の層が交互になっています。理由はわかりませんが、面白いですよね、地層ってのは。
あ、左下にこっそり写ってるのが私の自転車です。

福井県の東尋坊もこの柱状節理が見られますが、私はこの生月島の塩俵の断崖の方が好きです。
自殺の名所だなんて呼ばんといてあげて 福井の東尋坊
何しろ見に来る人がめちゃくちゃ少ないし、折れ方がカッコイイのでして。
そして私は自転車を、佐世保へと走らせ、九十九島の船越展望所へとヒーヒー苦しみながら坂をのぼっていくのでした。
それはまた次回で。



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