ディジュリドゥという楽器をご存知だろうか。

ディジュリドゥとは、オーストラリア大陸の先住民であるアボリジニの民族楽器である。
形は筒状で1~2mぐらいの長さがあり、吹くとブオーーと身体に振動が伝わってくるような重厚な音がする。
「世界最古の管楽器」の一つと言われている。

オーストラリアの土産物屋にあったディジュリドゥ。モノによって200~1000AUS$と様々。
専門店だと軽く3000AUS$を越える。

このディジュリドゥがまた演奏するのが難しいんだ。
例えば、ギターを初めて触った人でもコードは押さえられなくてもとりあえず弦をはじけば音はでる。
ジャンベやダラブッカなどの太鼓タイプの民族楽器だって、リズムはわからなくてもとりあえず叩けば音はでる。
しかし、ディジュリドゥはまずちゃんとした音を出せない。
口をディジュリドゥにつけ、唇をブルルッと震わせてその振動で音がでるのだが、最初のうちは吹けども吹けどもプスーと空気が抜ける音がするだけだ。
で、試行錯誤してなんとかちゃんとブオーと音が出せるようになったとしよう。でもまだスタートラインに立てていない。
ディジュリドゥは循環呼吸と呼ばれる特殊な呼吸法を使って演奏する。
循環呼吸とは何かと簡単にいうと、「口から息をずっと吐き続けること」。
つまり演奏者は音が途切れる事なく10分でも1時間でもずーっとディジュリドゥを吹き続けることになる。
循環呼吸ができるようになるまでが非常に難しい。
でも、循環呼吸を習得して音を出せるようになってやっとスタートラインに立てたと言える。
ここからさらに文章では説明できないような様々な演奏方法が待っている。

しかし、ずっと息を吐き続けるなど人間に可能なのだろうか?

まぁ普通にやったらもちろんさすがにムリなので、スキルを身に着ける必要がある。
実は私も一応ディジュリドゥを循環呼吸で吹く事ができるので、実体験を基に循環呼吸のやり方を説明したいと思う。

まず、口の中いっぱいに空気を吸い込み、ドングリをたくさん頬ばったリスのように頬を膨らませて息を止めてみよう。
次に、すぼめた口から少しずつ息を細長く吐いてみよう。

はい、もう一回。

口の中に空気を吸い込んで~少しずつはく~。はいそこで一度ストップ。
息を吐くのを止めたら、指で両頬をゆっくり押してみよう。
すると口の中に残ってた空気は押し出されて勝手にスーッと口から吐き出されていきましたね?
その時、ノドから奥では空気の流れはどうなってました?息は止めてるんだからノドから奥は空気動いてないですよね?
そこです。そのタイミングで鼻から空気を取り込むのです。

息を吐き続けてる途中で、頬の筋肉を使い空気を押し出す。その隙に鼻からヒュッと空気を取り込み肺に送り、口の中の空気が押し出されきる前にまた普通に息を吐く。
これが循環呼吸のやり方。

さて、とりあえずなんとなーくディジュリドゥっていう難しい民族楽器があるんだなとわかってもらったところで、本題に入ります。

私がオーストラリアにワーホリでいた時、だいたいいつもキャラバンパークっていうテント張ったりできるところでキャンプしていた。
時々そこで会った人達とのんびり話したりしたわけなんだけど、そこで友達から教えてもらったのがWild Marmalade(ワイルド・マーマレード)というオーストラリアのバンド。

オーストラリア最東端ににバイロンベイというちょっとヒッピー文化が根付いてる街がある。
私も2週間ぐらい滞在したが、確かにとても魅力的な街だった。
ワイルド・マーマレードはそのバイロンベイを拠点にしたバンド。
バンドと言ってもディジュリドゥとドラムの組み合わせなのだが、音は民族楽器なのにトランスに近い。
つい身体が音に合わせて動いてしまうような、野外フェスとかにぴったりの音。

メンバーは、ディジュリドゥのSi MullumbyとドラムのMatt Goodwinの2人。
サイの奏でるディジュリドゥは、どこをどうやったらシンプルな構造のディジュリドゥからあんな複雑な音とリズムを出せるのか全くわからない。
マットの叩くドラムは、テンポ速くノリのいいリズムを刻み、聴いてる人々を躍らせる。

まぁちょっと一度動画を見てみてくださいよ。
この動画はPaul Georgeというギタリストとのセッション。
若干ディジュリドゥの音が目立たないかもだけど、まぁこんな楽器だと知っていただけたら。

他のディジュリドゥを吹いてる人の動画とか見てもらったらわかると思うけど、こんな高速でリズムを刻める人なんてなかなかいないよほんと。
ギターもまたいい感じで、3人の呼吸が見事。

次はドラムがとても面白いのでご紹介。
これもライブで色んなドラマーが代わる代わるドラムを叩くんだけど、交代するテンポがどんどん速くなって、それでもきっちりリズムキープしてるところが凄まじい。
最後のキメの時のマットの笑顔とポーズも最高。
こんなんライブで見たらめっちゃ盛り上がるだろうなー。

ほんとは「Water Colour」って曲が最高にカッコ良くて一番好きだからそれを紹介したかったんだけど、YouTubeでどれだけ探しても見つからなかったのであきらめた。以前はあったのにな。

一応、私は色んな民族楽器を多少は趣味でやるんだけど、民族楽器はほんと面白い。どれもシンプルかつ奥が深い。
もっと若い時期から民族楽器に出会えたら良かったと思う。

という訳で、今回の旅先で会った良い音楽は、ディジュリドゥという変わった楽器を使うオーストラリアのバンド「Wild Marmalade」でした。
最後までありがとうございました。

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