インドの遺跡といえば一番有名なのはやはりタージ・マハルになるでしょうか。確かに荘厳で美しい建物です。
でも私はインドの遺跡によく見られる、岩肌や建築物の壁に刻まれた浮彫、レリーフがある遺跡の方が好きです。

例えばエローラ、カジュラホーなどに見られるようなレリーフだらけの遺跡は、見ていて最高に楽しいです。
仏教寺院に物語性を持った壁画が描かれている事が多いように、インドの遺跡のレリーフにも物語性のあるレリーフが多く、色んな神様が登場し、私達の見る目を楽しませてくれ、想像力を掻き立ててくれるのです。
転がらない不思議な岩、クリシュナのバターボール①
転がらない不思議な岩、クリシュナのバターボール③
転がらない不思議な岩、クリシュナのバターボール④

クリシュナのバターボールがある公園を散策していると、こんなレリーフを見つけました。
これは・・・未完成?彫ってる途中、何らかの理由で投げ出してしまったのでしょうか。

公園から少し離れたマヒシャマルディニー・マンダパ窟という中には、ライオンの背中に乗って腕がたくさん生えている女性が弓矢を持ち、頭が牛で手にこん棒を持った怪物を追い立てているレリーフがあります。これはなかなかの迫力!

お次は、「ガンガーの降下」とも「アルジュナの苦行」とも呼ばれるレリーフ。
アルジュナとクリシュナは従兄弟であるらしく、近くにクリシュナのバターボールもあるし、私としては「アルジュナの苦行」一択にしたいところ。
一枚岩をこうやって使うあたり、インド文化の底の深さを思い知らされます。ま、エローラ石窟寺院の16番目、カイラーサナータの凄まじさに比べたら小さいと言わざるを得ませんが。
でもよーく見ると、ちょうど前を歩いてるインド人のおじさんの頭の高さで横に亀裂が入ってますね。彫ってる間にパシッとヒビが入ってしまったのでしょうか。
では、レリーフをもうちょっと近寄って見てみましょう。

このレリーフがもし「アルジュナの苦行」だったとすると、これはヒンドゥー教の聖典の一つ、「マハーバーラタ」の物語の一幕を表した事になります。注意して隅々まで見ていくと、そこかしこに人や動物がいます。しかし細かくてすごいですね。これ全部最初からどこに何を彫るが決めてあったんでしょうか、行き当たりばったりで「この辺すき間あるからゾウでも彫ったれ」とか無かったのかな。

アルジュナはシヴァに認められて会う為に激しい苦行に打ち込んだという話を踏まえてレリーフを見てみると、苦行をしているような男性が確かにいます。もしやこれがアルジュナ?思ったよりおじいさん・・・。頭の後ろからコブラが7匹生えてるのはシヴァですね、激しい苦行をするアルジュナの願いを聞き入れ、シヴァはアルジュナの前に姿を現します。

公園の目立たないところに、クリシュナのバターボールのようなスパッと切られたような岩を見つけました。
こ、これは一体・・・?
クリシュナのバターボールの片割れだとしたら面白かったのですが、前回写真載せたクリシュナのバターボールの断面のはもっとガタガタでしたので、ピッタリ断面が合うってのはさすがに無理なようです。
しかし何なんでしょう、この岩は。こいつも坂の途中で踏ん張って立ってたら有名になれたのに。

私はこの後、ファイブ・ラタや海岸寺院というマハーバリプラムにある他の遺跡も巡ったのですが、それよりもとても印象に残る光景を目にする事になるのでした。それはまた次回で。



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転がらない不思議な岩、クリシュナのバターボール①
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