できるだけ陸路でバックパッカー旅を続ける旅人にとって、ずっとついてまわる問題の一つがビザである。
ビザは査証とも言い、国によっては事前に取得しておかないと入国が認められない証明書のことだ。
中央アジアのほとんどの国々はビザの取得が必要になる。その中で唯一ビザ無しで入国できるのがキルギスだ。(少なくとも私が旅してた時はキルギスだけだった。ビザポリシーはちょくちょく変わるので最新の情報をご確認ください。)
しかも、日本人はキルギスでビザ無しで2ヶ月滞在できるので、大使館が集まる首都ビシュケクに滞在しながら、カザフスタンやウズベキスタンなどのビザを取得して中央アジア横断の準備をする人が多い。

日本人の個人旅行者は簡単にロシアビザが取れないため、ロシアから中央アジアに入るパターンはあまり聞いた事がない。
なので、西側のイラン及びアゼルバイジャンから中央アジアに入るか、東側の中国から入るかのほぼ2パターンになる。
私は中国からキルギスに入国した。その時の顛末はまた別の機会に記事にするつもりだからいまここでは省くけど、めちゃくちゃ大変だった。
いや、中国のカシュガルからキルギスのオシュをつなぐ国際バスにすんなり乗れれば何もそんな苦労する必要がなかったんだけど、滞在期間の関係で乗れなかった為に余計な苦労した。
でもそんな苦境のさなかでもなぜか助けてくれる人がいたから不思議。
まぁいいや、本題に戻りまして。
キルギスの首都ビシュケクでの過ごし方は、ビザ取得の手続きをして発行を待ちつつ観光をするという日々になる。
うまくやれば2つか3つの国のビザ申請を同時進行で進める事ができるのもなかなかレアな体験だ。

ビシュケクにはいくつか大きなマーケットがあって、マーケットで買い物をしたり地元の食べ物を食べたりが楽しい。
そんな訳で私もビザ申請で大使館を探して歩きがてらマーケットにも行ったりしていたので、街を一日中歩くこともしばしばあった。
そしたら、街中に面白い「壁」がある事に気づいた。
「お、これはなかなか面白い」と思ったら写真に撮っておいた。今回はそれらをちょっとご紹介。
ほんとはもっとビシュケクの安宿や美味しいレストランの情報なんかを載せた記事の方がここをのぞいてくれた人の役に立つんだろうけど、それは俺じゃない誰かがやればいいというのがこのブログの核なのです。役に立たない内容ですんません。

まずは大きな壁一面に描かれた、無邪気な笑顔した子供の絵。
道路沿いの壁にでっかく描かれていてかなりインパクトがあった。

手に絵の具つけて壁に手の跡つけちゃった、へへ。
・・・とでも言ってそうな感じ。
かなり大きくて、自分が壁の前に立ってみても、子供の目の高さぐらいだった。
それにしても完成度といい、大きさといい、これは落書き・・・なのか?アート?

次はこの民家の壁。
あ、ごめんなさい、これビシュケクじゃなかった。カラコルの方だったかな。

赤レンガで作られた壁に窓があって、でも窓の向こうにも同じようにレンガが。窓の意味ないこれ。
いやぁなかなかいいですね。こういう、あるべき機能をないがしろにするのがいい。
ところで、いま日本ではレンガ造りの家なんてまず見かけないけど、海外では結構まだある。
レンガ造りの建物がまだまだ現役である理由とは一体何だろう。
答えは、地震。
日本は地震が頻繁に起こるからレンガの建物じゃあすぐ崩れてしまう。
でも地震がほとんど起こらない地域だったらレンガ造りでも充分もつ。高度な技術を使った建物より安価に建てられるし。
なので今でも現在進行形で世界各地でレンガ造りで建物が建てられている。もちろん基礎や柱は鉄筋コンクリートだろうけど壁はレンガで建設しているのをよく見かける。
ただ、一度地震が起こると、日本だったら被害が少なそうな震度5とかでも壊滅的な被害が出る。
日本の技術ってのは、地震なり噴火なり台風なり大雨なりの天災が多いからこそ、それに立ち向かう為に磨かれたものなのだなと気づく。

またビシュケクの壁に戻ってこちらを。
どっかの道端の普通の壁。

妙~に味のある色合い。
これたぶん最初は茶色のレンガだったんだけど、一度水色に塗って、でもまたクリーム色に塗りなおしたのではないかと。
でも仕上げが適当だからこんな感じのムラとなったのでは。
なんでもきちんとしてしてなきゃいけない日本では有り得ないようなのが面白いよね。



次はコレ。
コレは個人的にかなりツボった。

SOSて。壁にでっかくSOSて。助けてて。
いやー面白い。・・・面白いけど、まさか本当に家の中に餓死した人とかいないよね・・・。やめてくれよ。

最後です。
この一枚がビシュケクで壁を撮って歩くきっかけになった一枚。

なんとなーく、ふとシャッターを切ってみたら、自分がイメージしてた画といい意味で違う雰囲気に撮れて驚いた。
灰色とも水色とも呼べないくすんだ色合い、意図的にかたまたまか十字架のモチーフが含まれた錆びた鉄の柵。
壁と柵は1メートルぐらい離れているのに、偶然それらが立体感なく平面的に写った事が逆に自分は気に入った。

・・・とまぁこんな感じで、主にビシュケクで見かけた壁にスポットを当ててみました。
半分廃墟状態になってる古い建物が多かったのは廃墟好きの私にとってはとてもありがたいことで、かなり街歩きは楽しかった。
他にも色々建物の写真撮ったけど、とりあえず今回のくくりは「壁」でした。

次回はちょっと郊外に出てブラナの塔を訪れてみたいと思います。



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